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歯抜・歯抜師

長崎県歯科医師会会史第一編

歯抜・歯抜師

 歯抜、歯抜師は香具師仲間です。彼らは師弟の組織があり、親分から抜歯のワザを仕込まれました。その修業とは、厚い板に釘を打ち込み、それを用具を使わず2本の指先だけの力で抜き取ることでした。商売は社寺の祭礼や縁日などの盛り場で、刀の居合抜きやコマの曲芸で客を集め、面白い口上で集った客の中から抜歯の希望者を募り、その場で抜いてやり、料金をもらっていました。その手業の妙技を見せてまた客を募る-いわば大道芸の治療でした。これはヨーロッパやアメリカと同様です。ついでに歯磨き粉や歯痛止め、うがい薬なども売り付けていました。香具師は歯の医学などの知識は全くなく、その技能だけで商売をしていました。