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丹波兼康の歯に関する記述

丹波兼康の歯に関する記述

 「口中病は口舌や口唇の病や心牌腑臓の異常が原因である。それに通じた経絡(動脈、静脈)がその異常さを口中病として現わす」という李朱医学の病理論に立脚し述べています。
 また、歯病の病名は、口熱(歯茎腫れ、歯浮き、小児はのちに歯学となるもの、口内炎をいう)、歯草(歯根に血寄り膿む、歯根膿腫)、宣露(歯長くなること)、根瘡、小児歯不生、歯痛、虫食歯、オソイ歯などが列記されています。歯科医療の特殊性といわれている欠損補綴の記述はありません。治療法は「家伝の秘方」とされ、そこで記述される医書にも「これは口伝これあり」という形で、一子相伝にとどまり、専門家の中でも他へ伝播されませんでした。
 治療剤としては

含嚇剤:

昆布3、南天菓3、梅干5をまるめ絹の袋に入れて含む。歯草、口内諸痛、喉痺によい。

塗 薬:

黄蓮 黄柏 犀角、滑石を等分づつ細末にして指で塗る。鳶口に用いる。

塗 薬:

刺針の法。