口科秘嚢 |
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10数種類ぐらいの薬方が記載されていますが、この本の特徴は、和文で書かれていることと、附録として「小児口科」として弄舌、重舌、木舌、鷲口瘡、噤口などの病理と治療について書かれていることです。下記に薬方について列記します。 | |
ウヅキ歯: | 歯ノ根ウゴキ食モクワヌヤウニウヅキ、虫モクワズシテ痛ニハ左ノ含薬ヲ用ベシ。 |
含薬ノ方 忍冬、藜、當歸、葛根、蓬、等分シ、甘辛少。 右煎法常ノ如クー日二二、三十度モ含セテ後、金ヲ赤メ テ歯卜齦ノ間ヲ焼キテヨシ。ヤキヨウニ、クデンアリ(焼ように口博あり)歯ヲ焼バ年ヨリテ歯カケルモノナリ。サテ後二三用散ヲ用ベシ。 |
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三用散 黎クロヤキ十匁八分、明智フカセテ五匁七分、甘辛ソノママー匁二分、右三味極細末ニシテ用 |
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ウチ歯: |
俄ニケガシニ歯ヲウチ折ヌユルグコトモアリ、ホトエルグトモ七味散ヲ合一時ホドアラバ則ウヅキトマルベシ、サテ金ヲ歯ノ内外ヨリアテ三用散ヲ吹ベシ。 |
七味散の薬方 葬クロヤキ十匁二分、木瓜ソノママ五匁六分、沈香ソノママ三匁五分、梅干クロヤキ三匁七分、甘辛ソノママ三匁三分右イカニモ能々コマカニ末コニシテ用ベシ。 | |
虫歯: |
丁子コニシテー匁五分、胡椒コニシテー匁三分、丹響一匁九分、クレノ黒焼二匁八分。右四色虫クヒ歯ノ穴ホドニ俄二丸ジテ火ニテアプリテ、カタクシテ穴へ人ルナリ、若シ穴ナクバ絹ニッツミ痛歯ニクワへサセテヨシ、虫喰歯二薬色々アリトイへドモ治スルコトマレナリ。去ナガラ此薬ハ十人二八九人マデハ治スル方也。 |
歯スワリ薬 明智フカセテ十匁、蒲黄(蒲の花粉)ソノママー匁。 |
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息ノクサキラ治ス薬 丁子三匁、川(?)一匁、細辛五匁、甘草二匁、肉桂一両 右○ホドニ丸ジテ蘇サマト宿サマトー粒ヅツ用レバ息ノクサキヲ治スコト妙也 |